2005年09月27日

誰も書かなかった「部落」

昨日お恥ずかしながら泥酔してしまい、昨日書こうと思っていたネタを今日書くはめになりました……

今週は、積み本崩し週間と(個人的に)銘打って、枕元に積み上がっている本を読んでいます。
昨日読み終わったのは、寺園敦史著「だれも書かなかった「部落」」。1997年に出版された同著の文庫版です。

たまたま入った本屋で平積みになっていたのを手に取ったのですが(で、1ヶ月ほど寝かせてしまったのですが…)、それは帯に『京都・同和利権の闇』とデカデカと書かれていたからです。出版社の思う壷ですね(笑)。
1990年代の日本の低迷期に様々な利権を享受した、金丸を中心とする利権政治家の中でも未だに生き残っている(政治的には死にかかっている)野中広務元議員。彼が同和利権、道路利権、北朝鮮利権に深く関わっているのは聞いたことがあるのですが、詳しいことはあまり知らなかったので、この機会に同和利権についてもっとよく知りたいと考えたのです。
第一章の同和政策の詳細。あまりの優遇ぶりにいきなり驚かされました。
同和地区の格差是正を目指した特別法、同和対策事業特別措置法が1968年に成立した後、2002年まで2度名を変えて続いたこの法律は、同和地区の住民に多大な恩恵をもたらします。
住居は、改良住宅という同和地区に建てられた団地が、月5000円前後という破格で提供。
教育関係は、保育園が月5000円、各種学校に入学する時の支度金として現金支給(小学校57000円、中学校61000円、高校200000円以内+58950円、大学350000円以内+112000、予備校88000円)、各種学校を卒業して進学する支度金として現金支給(中学校95000円、高校58950円)。
就職・就業関係は、就職支度金として現金支給(中学卒107000円、高校卒107000円、大学卒112000円)、自動車免許取得費用の実額支給、農機具の無償貸与。
医療関係は、眼疾患、成人病検診、乳幼児耳鼻咽喉科治療、妊婦健康検査、人間ドックなどの公費負担。
などなど、これらの事業で全国の同和地区に使われた国庫は、34年間でなんと15兆円!こちとら学校に入学する時などは親に負担かけまくりだったというのに、逆にこんなに金貰ってやがったのかと思わず頭に血が上ります。

この上、京都市では就職でも優遇措置が取られていました。
それは公務員の同和枠の設置。京都市が同和地区の住民を以下の組織から推薦があれば、実質無試験で職員に採用するというものです。このため、京都市のある同和地区では住民の半数以上が公務員という状態になった地区もあったそうです。

そしてこれらの同和優遇政策を強力に後押ししたのは部落解放同盟(通称:解同)。関東に住んでいるとあまり実感がわきませんが、関西方面では強引な手法を取ることで有名らしいですね。実際にどんな活動をしたのかは分かりませんが、想像以上の手段が取られたのではないかと推測されます。
また、全解連という、いわゆる「同和漬け」政策を終結させない限り同和問題の真の解決はない、と標榜する組織もあるのですが、組合員が上記の各種優遇措置を拒否するわけでもなく、口だけになっているとのこと。これでは組織としての矛盾が活動の足を引っ張るのも道理です。


第2章では、同和枠でフリーパスで公務員となった人たちの、あまりにもひどい勤務・生活態度について述べられています。特にひどいのは京都市清掃局。仕事中に花札、麻雀は当たり前。終業時間前の無断帰宅、暴力事件、詐欺事件、収賄事件、麻薬事件などなど、新聞沙汰になったものだけでも1995年から1997年までの3年間で21件。異常なほどの数です。
それもこれも、フリーパスで市職員にしてしまうから。
その中には、元暴力団員や傷害事件で執行猶予・懲役歴がある人間などもいたそうです。

「あくまで問題を起こすのは一部の人間」と文中フォローが入っていますが、「職場崩壊」というありえない事態が常態だったとも述べられていて、フォローもあまり効果がありません。
正直言って、自分が京都市民だったら、自分の住民税がこんな職員の給料になっているかと思うと、市に返還を訴えるか、さっさと引っ越すに違いありません。


第3章では、大阪市や神戸市といった同和地区をかかえる自治体が1990年代には同和政策を段階的に撤廃していったのに対し、京都市だけは更に解同、全解連との結びつきを強めていき、全国にも希な「同和優遇自治体」に堕ちていった実態が述べられています。
個人支給、就職はもちろん、税金の徴収に関しても同和地区の税金優遇政策を悪用したいわゆる「同和脱税」が横行し、しかも京都市と税務署までがそれに協力していたことがわかっています。そして公金を使った毎日のように繰り返される解同、全解連組織員への接待。その額は、1998年度だけでも340万円。もちろん、京都市は裁判でもその事実を認めませんが。

解同の脅威を振りかざして、強引な商取引(まあ脅迫・強要ですね)を行う人間が一番悪いのは当然ですが、それを全く是正できないどころかグルになっている京都市や税務署に対して呆れてしまいます。将来、何があろうとも京都に住むのはだけ一生ゴメンです。
またこの章で、野中氏関連の話が出てきます。これがどれくらい書かれているかが興味の対象だったと始めに書きましたが、残念ながら5ページだけしか割かれていませんでした。しかも、野中氏が同和地区の税金優遇を『撤廃するよう』な方向の国会質疑だけという物足りない内容。
(まあ、このあたりを詳しく書いてしまうと著者に命の危険があるのだとは思いますが……)


第4章では、同和問題を全面に出した1996年の市長選、それから市議会員の声や解同、全解連の幹部の声を通して、これからどうすれば同和問題の真の解決が図れるのかということがまとめられています。
ちなみに、市長選は同和優遇政策の撤廃を表明した候補者が落選したそうです。市民の意識が低ければ何も事態は改善しないという、いい例だと思います。端から見れば喜劇でしかありませんけれども。


同特法→地対法→地対財特法と名を変えた「同和特別法」は2002年に期限をむかえて終了しました。よって、今現在は上記の優遇政策をとる理由が無くなりました。
しかし、この本を読むと京都だけはまだ、同和地区住民が優遇されるという「逆差別」が残っているに違いないと思わせます。
この特別法ができるまでの同和地区では、職は日雇い労働くらいしかなく、安定した収入は得られなかったとあります。だからこその特別法であり、現に1980年代までには住民が安定した職と収入を得て経済格差がほとんどなくなりました。

ところが、京都市の場合だけはそこから同和地区の特権を更に強化していったのです。それは、特別法ができた際に解同と京都市との初交渉で、京都市が解同の恫喝に対してひたすら謝り通し、解同の言い分をそのまま呑んだのが端緒だったように思われます。交渉事は下手に出れば、その後何十年もそれに縛られてしまうという非常に典型的な例ではないかと。
日本も韓国、北朝鮮、中国という東アジアの三馬鹿国と現在進行形で交渉を持っていますが、下手に出れば彼らの言い分だけを呑まされてしまうという危機感を感じます。

さてこの本、京都市の同和問題だけに焦点を絞っているので、この問題に関しては非常に分かりやすく書かれていて、問題点を浮き彫りにする手法もなかなかです。同和優遇政策の詳細について、また古都・京都の闇を垣間見たい方にはお薦めです。
ただ、同和問題が全国的にはどんな捉え方をされているのかや、同和利権や解同の問題点、それと政治家との結びつきなどに関しては全くといっていいほど記述がありませんので、そういった面を知りたい場合は別の資料を探す必要があるのが少々残念なところでした。

同著者で「同和利権の真相」や宝島社の「ハンナン浅田満「食肉利権」の闇」という本も出ているようなので、いつかこれらも読んでみたいと思います。
posted by plop at 23:52| Comment(1) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同和/被差別部落出身者は、公務員の採用枠もかなりあるといわれていますが(自治体ゴミ収集等の現業、小中学校教員)、警察官にも多いのですか?
Posted by 匿名 at 2013年11月14日 09:49
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