2006年04月12日

韓国人から見た北朝鮮

溜まっている本の感想を書いてしまおう第2弾。

PHP新書から2003年10月に刊行された「韓国人から見た北朝鮮」。これも読んだのは「ネコソギラジカル」同様、昨年11月でした。先にこれを読んで感想書いてしまえば良かった、というのは後の祭り。

ちなみに、2ちゃんねるの「小泉首相は運が強すぎる」スレでお薦めされていたのを見初めた本です。さすがに、いつどのスレでお薦めされたかは覚えていないのですが。

著者は、呉善花(オ・ソンファ)。1956年、韓国の済州島生まれ。韓国女子軍隊(というのがあるんですね)で従軍経験有り。
1983年に大東文化大の留学生として来日し、その後東京外語大の大学院を出て、韓国人の視点を持ちながら日本と韓国の関係についての本を執筆しながら、拓殖大学の客員教授もしているという経歴の持ち主です。

さてこの本では、韓国から北朝鮮がどんな風に見えているかが述べられています。
今も問題になっている北朝鮮の国際常識に当てはまらない様々な行動に対して、米国と日本は拉致と核の問題をなんとかしないと経済制裁発動するぞと圧力をかけ、中国は言うことを聞かない属国に手を焼き、ロシアは基本的に関係ないけど全然関係なくなるのはやだねという対応をしています。
そんな中、なぜ韓国だけが休戦しているだけの危険な隣国にぬるっちい対応どころか、逆に協力するような態度を見せているのか。韓国人である著者の視点、というか朝鮮民族の視点を通して、その一端を知ることができます。

まず序章で、韓国から北朝鮮に対する印象が変わった転換点についてまとめられています。
戦後の韓国では「反日」と「反共」が国是とされてきました。ところが「反日」は今現在続いているにも関わらず、「反共」はすでに消え去ってしまっています。
これは韓国の前々大統領の金泳三の頃から、北朝鮮の情報を国民に小出しに流すようになり、その後、前大統領である金大中が大統領に就任した1998年2月からは太陽政策の一環として更に北朝鮮に関する情報がオープンになり、北朝鮮の良いところを見る機会が溢れるほどになったのが原因だそうです。

金泳三以前は、北朝鮮からの生の情報は完全に遮断され、韓国政府の作ったプロパガンダというべき情報しかありませんでした。金日成は恐ろしい顔をした絵だけで写真はなく、学校では北朝鮮は最も過酷で遅れた恐怖政治の国と教えられ、北朝鮮国民の生活などが語られることもありません。
ところが金泳三の時代になって少しずつの情報が流れるようになり、更に2000年、金大中が南北首脳会談を実現させるみると、金日正は驚くほど人間味にあふれる人物だったことがわかり、平壌は高層ビルが建ち並び後進国とは言えない街並みを持っていたわけです。これまで恐ろしいと思っていた国が、意外なことにきちんと対話ができて、自分達と同じくらいの技術力を持ち、同じように暮らしている。もちろん、それが北朝鮮の体制維持のプロパガンダだと韓国国民も分かっていたでしょう。しかし、それを実際に見てしまったがために、今までの反動が出て「北朝鮮との融和を」という空気が一気に浸透した(してしまった?)ようなのです。

さて、このようにして「反共」、ひいては北朝鮮に対する脅威を持つことがなくなってしまった韓国国民ですが、何故ここまで一気に反動が出てしまったのか。その理由が、序章以降の第1章から第7章まで丸々1冊使って書かれています。
正直に言いまして、興味深くはありましたがお腹一杯です(笑)。まあ簡単に言ってしまえば「同じ民族だから」というのが一番の理由という結論なのですが、どういうところで共感が起きているのかを各章で説明しているのです。

第1章では、李氏朝鮮(1392〜1910年)時代の王朝と、北朝鮮の政治形態について。
第2章では、北朝鮮のチュチェ思想が朝鮮半島に根ざしている儒教を基にしているため、韓国でその感覚が肌で分かること。
そして、第3章から第6章まで朝鮮民族共通のメンタリティに関して論が続きます。
第7章では、韓国の愚民化政策とも言える理念主義とハングル政策(=漢字排除政策)について苦言を呈しています。

ちなみに各章のタイトル一覧。
 第1章 専制独裁主義のルーツは李朝にあり
 第2章 チュチェ思想のルーツは儒教だった
 第3章 小中華思想と日本を見下す侮日観
 第4章 大国への屈折――事大主義と中央集権主義
 第5章 自民族優越主義という害毒
 第6章 父系血縁制と身分制
 第7章 国民を愚かにする理念主義とハングル専用政策
ほら、各章のタイトルだけでお腹一杯になったでしょ(笑)。
これらが朝鮮人の根底にあるため、北朝鮮からの情報に韓国が共感しやすいらしいのです。

これはもう、歴史的なものの積み重ね、そして地政学的なものなので覆りようがありません。そして困ったことに、朝鮮人のメンタリティは日本人のメンタリティと真逆なものばかりなのです。読み進めるうちにどんどん気持ちが暗くなっていったのを覚えています。
近くて遠い国。
この本を読み終えて、こんな使い古された言葉を思い出しました。
地理的に近い、けれども精神的には遠い国。日本と韓国・北朝鮮がわかりあえる日なんて絶対来ないと断言できます。
そして日本は、朝鮮半島のメンタリティを理解した上で外交なり貿易をしていく必要があるな、とも。

今から3〜4年くらい前、W杯の韓国のむちゃくちゃさに頭に来て、韓国に関するサイトを回っていたことがあります。
あるサイトのログで、韓国も含めた東アジアと東南アジアの国々と長年貿易を営んでいる人の書き込みがありました。その書き込みによると、韓国に対する感情は以下のように変化していくらしいのです。ちょっとうろ覚えですが、
 好韓→疑韓→嫌韓→怒韓→諦韓→笑韓
確かもっと段階があったように思うのですが忘れてしまいました。

私の場合、疑韓が大韓航空機爆破事件(Wiki)で犯人が日本人だと報道された際の常軌を逸した反応(北朝鮮のスパイだと分かるとダンマリ)を示した時(1987年)。
嫌韓がサッカーW杯を共催にさせられた時(1997年)。
怒韓がサッカーW杯の時(2002年)。
そして、この本を読んで諦韓という感情に辿り着きました(2005年)。
これから先、いつ笑韓という境地に達することができるのか。いや、実は達したくないですが(笑)。

というわけで、今の私は朝鮮半島に対して一歩引いたスタンスで見るようになりました。諦めの感情がそうさせています。この先絶対にわかりあえない、理解しあえない、という諦めです。
そういったスタンスを得たい方は是非読んでみて下さい。日本と朝鮮半島との違いを嫌と言うほど教えてもらえるはずです。
posted by plop at 22:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ども。呆韓気味のセトラーです。

ちょっとググッたら遷移表がこんなになっていました。育ち過ぎだろ。


        【同類ゾーン】                   【ベテランゾーン】
         .殺韓←滅韓←恨韓.─────┐┌→諦韓───→慰韓
                   ↑         ││   ↑        │
                   │         ││   ↓        ↓
           思考停止 侮韓.←─┐   ││  哀韓→憂韓→達韓【悟りの境地】 
              ↑    ↑    │   ││   ↑       ↑  |
              │   冷韓   │   ││   │     ┌┘  │ 
              │    ↓    ↓   ↓│   ↓     │   ↓
親韓→知韓→疑韓→嫌韓→反韓←→怒韓-→呆韓←→笑韓←→楽韓  至韓
↑.        └┐. ↑  【一般人ゾーン】   ↑.   │     ↑   ↓
好韓  .       |  └──────────┘  ┌┘     |   極韓→超韓
↑【洗脳ゾーン】. ↓                     │       |   【神の領域】
興韓       それでも親韓⇒思想板へ        │       |
↑          ↓                     │      ↓ 【麻薬ゾーン】 
無韓    思考停止(嫌嫌韓厨・工作員).        | 酔韓→習韓→毒韓→廃韓
           ↓                     ↓  ↑
          敬韓                    弄韓→快韓→痴韓
           ↓                         ↓   ↓
          隷韓                         悦韓→愛韓→撫韓
        【売国奴ゾーン】                       【変態ゾーン】



2002WCで色々調べた結果、嫌韓になったのが最初で、
その前は興味も無い無韓でしたねー。

不勉強を恥入るばかりで御座います。
つーか、当事者意識がなかった為そもそも政治経済軍備含めて
何も知らないお花畑系でした。
…まぁ、今も足りてないけど。

日々のニュースを見るにつけ、異文化なんだなぁと良く判ったので
最近は余り驚かなくなってきました。
馴れって怖いねー(棒読み)。

韓国人の視点で書かれた本に興味はあるけど読む前からお腹一杯ですな。

付き合うのが面倒だから国交断絶で良いよとか書いちゃダメですかそうですか。
単にいい加減犯罪者を輸出するのは止めて頂きたいだけなのですが。
西日暮里の催涙ガス事件なんて近くって嫌な感じですよ?乗換駅だっちゅーの。
#麻日新聞の芸術的なレイアウトは現物を見たかったなぁ
Posted by settler at 2006年04月13日 13:17
おお、サンキューです>settler
たしかにこのチャートは育ちすぎですな。変態ゾーンてw
どうやら自分はベテランゾーンに突入したようですね。いいやら悪いやら…

当事者意識については、こちらもあまり持ち合わせて……
……あ、サッカーに関しては随分とイヤな思いをしてきてますからねぇ。
そういった意味で他の人より情報は多かったかもです。

本は新書なんで結構薄くて軽いです。興味があるなら是非一読。貸します。
いやというほど異文化、というか真逆だと教えてくれますよ。

それと国交断絶しちゃうと、北朝鮮との対話が進まなくなるような事態になるので、
やっちゃうとデメリットの方が大きいですね。スパイを送り込むのも難しくなるし。
外国人犯罪者については、韓国人よりむしろ中国人の組織犯罪と南米系の軽犯罪の方が問題だったりします。
韓国人の犯罪はここ10年あまり増えてないし。ただ、在日をカウントするとどうなるかわかりませんが(笑)。
Posted by plop(管理者) at 2006年04月13日 23:32
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