2008年12月18日

クラブW杯 G大阪vsマンチェスターU

いやー、クラブW杯の存在をすっかり忘れてましたw
13日のパチューカvsアルアハリだけはなんとなく見たんですけどね。あとは結果を知って「あ、あったんだ」って感じでして。

で、昨日(水曜日)の夜中に「あれ?今日G大阪でるんじゃね?」と思って確認したら、リガ・デ・キトvsパチューカの結果しかなかったんで、ああ今日がG大阪出るんだな、と思った次第。



で、G大阪vsマンチェスターU戦を試合開始から見ていたわけですが。
う〜ん、マンUは流れの中で点を取られたとしても、セットプレーから逆転可能だ、と判断していたようですね。

昨年の浦和vsミランでは、基本的にミランがボールを保持して浦和をコントロールしていました。これは、万が一セットプレーで点を取られるようなことがあると「延長戦」を考える必要があり、最悪の場合は「敗戦」の可能性があるからこその戦術だったのでしょう。ミランはそれを避けたかったからこそ、自分達がボールをコントロールして試合をコントロールしたかったんだと思います。

翻って今日の試合では、マンUは基本的にG大阪にボールを持たせて試合をコントロールしていました。
例えミスが出て、流れの中から点を取られたとしてもセットプレーで十分に逆転可能だと分析したからこその戦術でしょうね。ハーフタイム中に、実況アナウンサーがプレミアの下位チームと比べて、G大阪のシュートが多いことを示していましたが、つまりそれは「G大阪は流れの中で1点までしか取れないし、セットプレーでの失点はゼロ。セットプレーだけで勝てる」とマンUに判断されたからこそ、G大阪が前半からかなり自由にボールを持たせてもらったのだと考えられます。(無論、結果論ですけど)

試合の方は、前半のうちにマンUがCKから2点を決めて、0−2とリード。後半に入ってしばらくして気が緩んだのか、74分に右サイドを破られて流れの中からG大阪にゴールを許しますが、直後の75分に交代出場のルーニーが決めて1−3。ルーニーが出てからというもの、G大阪のDFは混乱に混乱を極めて78分、79分と連続失点。1−5となって大勢決しました。

83分にハンドでG大阪にPKが与えられ遠藤が決めて2−5に、ロスタイムに橋本が決めて3−5としましたが、試合結果を覆すものではありませんでした。
さすがにマンUといえど4点差付けば油断もするし、それだけ油断してもらえればG大阪は得点できるだけのクオリティを持っていたという証左にはなりましたが。



さて昨年と今年の結果を比べてみると、昨年は浦和の守備力とセットプレーでの攻守の強さがあり、それに応じてミランが「チャンピオンズリーグ下位チーム」に対する戦術を敷いてきました。しっかり守って、セットプレーのチャンスを最低限に抑え、十回に満たないチャンス(セットプレー含む)を必ずものにするという戦術です。
しかし、マンUはG大阪のセットプレーの攻守の弱さと、中盤を制された際の脆さを事前に把握して戦術を組んできたのでしょう。つまり、前半はG大阪にボールを持たせて試合をコントロールし(自分達の運動量を控えめに)、セットプレーからリードを取れればOKという「国内カップ戦の格下チーム」に対する戦術をマンUは選択しました。
そして、ベテランを中心にした先発を起用。後半に負けていたり、点差が開いていなかった場合には、攻撃力のある若手を投入して逆転もしくはトドメを刺すという、シンプルな事前作戦をもってこの準決勝に臨んだのだと思います。

結果は、両チーム合わせて8ゴールという乱打戦になりましたが、それはマンU側にとって折り込み済み「+α」の結果だったように思えます。
その理由の一つは、決勝に向けての戦力の温存、もう一つは開催国でかつ長年に渡ってトヨタカップというクラブ世界一決定戦の場を提供し続けてきた日本に対するリスペクトだったんじゃないかと思うのです。
でなければ、これだけの実力差があるのですから、序盤の30分の間に0−4という途中結果が出てもおかしくないわけで。



マンUにとってはほとんど調整試合としかならなかったこの試合ですが、気を抜けばイングランド2部と同等に見ていたチームにすら3失点するという結果を突きつけられ、決勝では序盤からハードマークを90分続けることになるでしょう。
リガ・デ・キトの試合を見ていないんでなんともなんですが、G大阪相手のような全体的に「ゆるい」プレーは見せないでしょうね。もし、マンUが対G大阪と同じようなプレーを見せるなら、負けても不思議ではありません。

G大阪は、Jリーグですら弱点だったセットプレーを戦略上の基点とされ完敗したわけですが、その責任はFWをあっさり手放してしまったり高さのあるDFを獲らないフロントであったり、セットプレー戦術をさほど重視しない監督ら指導陣にあるわけで、選手には責任は無いと思います。むしろ選手達はよくやったと思います。
そう、逆に戦略的な観点でこの試合を見ると、もっとやりようがあったんじゃないかと思うわけです。
例えば、昨年の浦和のような戦いができないのであれば、相手が「ボールを持たせてくる」という予測をもとに焦らすようなボールキープをするとか、とにかくセットプレーが強い選手を先発で使うとか。

結果として西野監督は、G大阪がACLを制したスタイルで勝負を挑んで玉砕しました。そして日本に残ったのは「マンU相手に3点取った!」という華々しい結果ではなく、「5点も取られて負けた……」という極めて単純かつ残酷な結果のみです。
この結果が将来どのような評価を得るのかは何とも言えませんが、少なくとも昨年の浦和と比べられてしまうのは確実でしょう。

一方は彼我の能力差を考慮した上で勝ちに行き、もう一方は彼我の能力差を無視した上で勝とうと欲したわけですから。どちらが数年後、数十年後に考慮に値するかは明白です。
posted by plop at 21:59| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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