2008年06月20日

動画、というよりむしろ曲紹介(その2)

さて、動画紹介2回目のお題はVOCALOIDオリジナル曲。それも初音ミク独自のキャラクター性に基づいた曲、VOCALOIDがヴォーカルでこそ意味をもつ曲のみを、ほぼ初音ミクオンリーでお届けします。

初音ミクのキャラクター性というのは、おおまかにいうと
・「萌え」を意識した容姿(アニメっぽいイラスト、髪型)の16歳の女の子である。
・パソコン用ソフトウェアであり、インストールされ起動しないと歌えない。
・使用者が歌詞を打ち込まない限り歌えない。
・使用者のスキル、知識、経験値によって歌の出来に(時に大きな)差が出る。
といった感じでしょうか。
こういった要素を踏まえつつ、初音ミクという「人格」が仮想的に造り上げられました。(というか、徐々に出来上がったというのが正解ですが)

そして人格を持った「ミク」がその心情を歌ったオリジナル曲が、発売後しばらくして作られるようになります。それまではカバー曲がほとんど、またノウハウも蓄積されてなかったので、どうにも微妙なデキのものが多かったミク曲の中で異彩を放ち、視聴者の支持を得るようになりました。

ま、しばらくと言っても発売2週間後の9月13日には投稿されていたんですけどね。というわけで、トップバッターはOSTER_project氏(ふたなりP)「恋スルVOC@LOID」。以降、歌詞の印象的な部分を交えつつ紹介していきたいと想います。あ、ちなみに(〜P)というのはニコニコ動画内での名前です(Pはプロデューサーの略)。何故かアイドルマスターで用いられる略称が、いつの間にか派生して定着しています。

イントロから「らーらーらーらーらーらーらーらー(ドレミファソラシド) わんつーすりーふぉー↑」と発声練習のように入り、「私があなたの元に来た日を どうかどうか忘れないでいて欲しいよ」と続く歌詞、そして楽曲としての完成度は、それまでのカバー曲やネタ曲(替え歌)とは全く異なっていて、初音ミクというキャラクターの新たな可能性を感じさせてくれました。(後日投稿された「恋スルVOC@LOID -テイクゼロ-」では、レコーディングの様子も聞けますw)
続いて一週間と経たずに投稿されたazuma氏(ボクP)の「あなたの歌姫」。「あなたの歌を 全部歌うまで 私にもっと歌わせて 世界であなただけの歌姫なの」ピアノ伴奏に合わせてしっとりと歌い上げる、歌うためだけに生まれたミクの歌いたいという想いが詰まった一曲です。



ソフトウェアとしてのミクを前面に押し出したのは、「Packaged」と「タイムリミット」。
kz氏「Packaged」は、題名からしてソフトウェアの箱(パッケージ)を思い起こさせます。歌詞も、自分は歌えるのかその歌は誰かに届いているのか、と不安気な様子で、それでいながら歌えることの喜びも伝わってきます。「この世界のメロディ 私の歌声 届いているでしょ 響いているよね」
North-T氏(畳P)「タイムリミット」は、DTMマガジン2007年11月号に初音ミク体験版がついた際に作成されました。体験版の有効期間は10日間。ミクにとってわずか10日間ですが、その間の記憶を失いたくない、「あなた」に憶えていてもらいたいという想いが込められています。「まだ終わってない 別れたくない 最後にもう一度 歌を歌わせてほしい」。まあよくよく聞けば「製品版買ってね♪」ってことなんですがw



次は、より初音ミクという人格を強調した曲を。
malo氏の「ハジメテノオト」。前にも紹介しましたが、イントロのモールス信号といい、メロディ・構成、そして歌詞といい非の打ち所がない名曲です。投稿後8ヶ月が経つ現在でも、1日の再生数が1500〜2000と安定していることとマイリスト数が増え続けていることが、聞いた人の心に響いているなによりの証拠でしょう。
「初めての音はなんでしたか? あなたのはじめての音は…
 ワタシにとってはこれがそう だから今 うれしくて」

「初めての言葉はなんでしたか あなたのはじめての言葉
 ワタシは言葉って言えない だからこうしてうたっています」

歌うことしかできないけど、時が経ってもいつまでも変わらない歌声をあなたの心に届けたい、というミクの想いが伝わってくるようです。個人的に一番大好きな曲で、iPodの初音ミクプレイリストの1曲目に入れているほど。残念なのはmalo氏がニコニコ動画に投稿した曲はこの1曲だけで、その後の活動の情報などもほとんどないこと。malo氏の他の曲も聞いてみたいものです。
くちばしP「私の時間」ポップな曲調で、マスター(使用者)と練習を重ねて楽曲を作っていく様子を描いています。「さあ 練習練習 ゆーあーまいますたー もっともっと上手に歌わせて♪」(曲の明るさからか3DPVが2つも作られているのが特徴です。これこれ



さて、初期の名作たちの後は自分の好きな作曲家から何曲かご紹介。

槇タケポン氏(デッドボールP)が作る歌は、アレです。ぶっちゃけエロいです。下ネタ満載のものが多いです。初投稿時から「直球すぎるw」「アウアウ」というコメントが多く付いていましたが、「直球というよりデッドボール」というコメントによって名前もデッドボールPにw(略してデP)
あんまりにもあんまりなんで、ある日販売元のクリプトンに動画のいくつかを権利者削除されてしまったほど(跡地の一つ)。それでも自分のような固定ファンが多数いるのは、楽曲としての完成度が非常に高くて、良い曲ばかりだと胸を張って言えるからです。歌詞さえ…というのが多いのも事実ですが。
今回はデPの曲の中でも、ミクを公式設定通りアンドロイドとして捉え、ミクの立場で歌っているものを紹介します。そうじゃないものはまた後日。

「既成事実」はタイトルにちょっとアレな曲と付いてることからわかる通り、アレな感じです。「我慢しないで たくさん 出してね♪」……出だしからしてこれですからねぇw まあとりあえず一度最後まで聞くだけ聞いてみて下さい。受け付けなければ諦めてもらって、大丈夫なようならデPのマイリストからちょっとアレなシリーズを巡ってみて下さい。今のところ9まであります。
あとはマジメなやつ、胸を張ってお薦めできる曲です。「永久に続く五線譜」は、歌うことの意味がわからなくなったミクが、それでも歌い続けるしかない苦悩を歌っています。「何を求めて歌うの? 答えはどこにあるのでしょう? 金?名声?笑顔?愛情?」
「金の聖夜霜雪に朽ちて」はポップ調のレクイエム。「春、夏、秋、冬、大地はずっと白い 空の彼方 あなたの側に花は咲いてる?」 人類が滅び、ずっと雪に覆われた大地で一人残されたミク。クリスマスの夜に何を想うか……
「二次元に咲く花」は、2次元の世界に生きるミクがマスターのいる3次元に想いを馳せる歌。「高さという概念 理解できても 越えたい壁の 厚みさえわからない」 絶対手が届かない世界に手を伸ばし続けるミクは、健気でもあり哀れでもあり。
まじめなデPは全体的にせつない歌詞が多いです。





cosMo氏(暴走P)の特徴は、とにかく曲のテンポが速い。BPM(Beats Per Minute)は200超えが当たり前、BPM310の曲もあるほどです。「歌ってみろ」というタグがつくこともあります。また、動画のイラストも自作という高性能な方でもあります。
そして歌詞はけっこうな電波系。一見しただけでは意味が取れません。他のVOCALOID曲からネタを取ってくることも多く、そういったところも一見さんお断りな雰囲気を出してしまっています。が、速いリズムに乗せられ、何度か聞いているうちになんとなく意味が取れてくると評価がガラリと変わる、いわゆるスルメ歌詞でもあります。特にシリアス系では、中毒になった人(自分含む)が何度も再生を繰り返すことが確認されており、その中毒性から多くのコメント職人が付くことでも有名です。
今のところ発表している曲はすべてミクが主人公で、順不同ながらマルチエンディングのノベルゲームのようなストーリーを形作っているようです。

「初音ミクの暴走」は思いっきり電波曲。もちろん、開始10秒でマイリスト入り余裕でした。「ほっぺたぷにぷに つるぺたつるぺた あいつはいわゆる ろりこんわーるど」BPM310の超高速ドラムと電波な歌詞に酔いしれて下さい。高速歌詞発症発祥の地?
「魔法少女ラジカルペイント」ミクの暴走2。あちこちからネタ取りまくりな電波曲。全部判ったら立派なVOCALOID廃人(通称:ボカ廃)ですw「すべてを巻き込み 戦い続ける 何故か視線が冷たい」
「ウタ箱 - Vocaloids BOX -」これはややシリアスめ。「無数のボクとマスター それぞれの音を今 奏ではじめるのは 愛すべき妄想」箱の中でインストールされるその時を、マスターと出会って歌うその時を待つ、ミクの期待と不安という感じでしょうか。ストーリーの基点的な曲でもあります。
「初音ミクの消失(LONG VERSION)」ミクの最高速最高圧縮の別れの歌。人を真似て歌うだけという役割に、そしてアンインストールされ自身が消えることに諦観と抵抗を覚えつつも、自身では何も伝えられない歯がゆさ。「音を犠牲に すべてを伝えられるなら 圧縮された別れの歌」 そのあまりの切なさに、ボカ廃はもとより普段VOCALOID曲を聞かない層も取り込んでリピーターとしてしまい、ミク曲としては異例な再生数の伸びを示しています(通常、投稿後一週間も経つと再生数の伸びは一気に減ります)。コメント職人はミクに涙を流させ、高速歌詞を書き込み、アンインストール状況を更新し、職人芸が見れない日はない状態。マイリスト数25000超えも示す通り、すべての視聴者に愛されている曲といえるでしょう。
暴走Pのマイリストでその他の曲も聞いてみることをお薦めします。





さてさて、意外に字数を使って語ってしまったので、あとはのほほんとした曲を軽い感じでご紹介。
はややP「みくみく菌にご注意♪(フルver)」「ミクのオルゴール」。
みくみく菌の方は、ぽや〜とした曲調で洗脳しちゃうソング。「あなたの脳内 まさぐっちゃうわ おでこの先まで みくみく菌でおかしてくの」
オルゴールの方は、ゆったりと切ない歌です。「あなたが私を 忘れてしまったとしても この歌声どこかで 鳴りつづけますように」
どちらも一聴の価値ありです。
ちなみに、はややPの他の曲はどれも曲調が違っててバラエティに富んでます。引き出しが多くて面白いですよ。



かちゅぜちゅぴー(P)の「私のマスターど素人」。素人に買われてしまったミクが、舌足らずな声でその悲哀を歌い上げていますw「うたいたいー うたいたいー なんでもいいからうたいたいー><」
れれれP「イケ恋歌 -Full ver.-」は、珍しく鏡音レンの曲。14歳の男の子という設定を活かした、ちょっと背伸びしたい年頃の恋心ってやつですかね。「れれれレンレンにしてやんよ! …です ボクの声で魅了する… いいでしょう?」 曲調はロックな感じでノリノリ。元気いっぱいって感じです。


初音ミクにキャラクター性を活かした歌が多い割に、鏡音リン・レンはあまりそういう曲がないのは、中の人である下田麻美さんが、とかち(アイドルマスターのキャラクター、双海亜美・真美)の中の人として既にニコニコ動画内で有名だったことがあるのかもしれません。
鏡音リン・レン発売直後はいかに課題曲(アイドルマスター「エージェント夜を往く」)をうまく「とかちつくちて」と歌わせるか競ったり、あるいは完全ネタに向かって暴走してましたからね。

最後に、紹介する必要もないくらい有名だけどやっぱり一応のせておかないと、ってのを一つ。
みくみくにしてあげる
ま、説明不要ですね。ググるといろいろ判ってよいかも。


うん、今回も書きすぎた。自重できなかった。我ながら失敗だと思われ。
これで丸半日つぶれるとかマジありえん。
posted by plop at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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